2年生 足立区サッカー協会少年部低学年交流会
■日時
2023年6月18日(日)13:00-16:00
■場所
千住スポーツ公園
■参加メンバー
【チームA】
コウセイ、ショウタロウ、チヅル、ノドカ、ユウト、ラン
【チームB】
アキラ、コウ、ソウスケ、タクト、ミナト、ユウマ、
■対戦相手
【チームA】
第一戦:対 旭FC 1-2 〇
(得点者 ショウタロウ、ノドカ)
第二戦:対 FC王五 A 2-2 △
(得点者 コウセイ、ショウタロウ)
第三戦:対 西新井フレンドリーA 3-0 ✕
第四戦:対 GET荒川A 1-2 〇
(得点者 コウセイ 2)
【チームB】
第一戦:対 KSC加平SSS 0-1 〇
(得点者 ユウマ)
第二戦:対 峡田ヴァリアンツB 1-3 〇
(得点者 ユウマ 3)
第三戦:対 LARGO FC B 2-1 ✕
(得点者 ユウマ)
第四戦:対 GET荒川 B 0-2 〇
(得点者 ユウマ 、アキラ)
■所感
コロナ災禍で中断していた足立交流戦も3年振りの開催となり、30度を超す真夏日の中、子どもたちは元気いっぱい、大粒の汗を流して頑張りました。
直近の練習試合で課題となっていた、積極性の足りない選手達の意識変革の切欠を狙い、今回はいつものブラックチーム、ピンクチームをシャッフルし、戦力をほぼ均等に分けての2チームで参加し、各チーム共に、全員が同じ出場時間になるようする、同じポジションを複数回やらないという2点だけ条件設定して、出場メンバーもポジションも子どもたち同士で話し合って決めてもらい試合に臨みました。
また、プレー内容的には、継続テーマとしている、①1対1で負けない、②リスタート時に素早くスタートポジションを取る、③相手リスタート時に裏を取られないポジションを取る、といった一人称で完結できる三点のテーマに加え、今回は新たに、④できるだけ前からディフェンスに行く、⑤必ず一人は裏のスペースを取られないポジションを取る、⑥ボールを奪ったらできるだけ早く相手の裏のスペースにボールを運ぶ、という他者との相関関係も含む三点も追加し、チャレンジを促しました。
【チームA】
1試合目は与えられたテーマに添い、全員が前から積極的にディフェンスに行けたことで、良い位置、良い形でボールを奪え、スコア以上に優勢な試合内容でした。
結果的に最小得点差となったのは、何度も相手を崩しながらも、ドリブルなのか、シュートなのか、パスを選択するのか、最後の場面での判断が良くなかったシーンが多く、また絶好機で慌てて空振りをしたり、逆に慎重になりすぎてシュートコースを塞がれてしまったりと言った場面や、闇雲に力任せなシュートをキーパーの正面に打ってしまったりといったチャンス逸が数多くあり、ゴール前での判断、精度が課題として浮彫になった結果でした。
2戦目以降は、それでも1戦目で勝てた安堵や、当日の暑さもあり、徐々にぬるい人任せなプレーが増し、結果的に局面での個の勝負での負けや、そもそも個の勝負にまで至らず自由にやらせてしまう場面が増えて行くことで内容も劣化し、3戦目は全くと言っていいほどに闘えて無い結果として、ほとんど何もできずの完敗となりました。
その後、喝を入れたことで4戦目は持ち直し、勝利で終われた点は褒めてあげたいところですが、やればできる力はあるのにそれを継続できない勿体なさや、勝負への拘りの希薄さ、苦しい時だからこそ献身性を発揮するような自発性・積極性に乏しかった点は否めず、まだまだ気長にマインドセットの変化を促して行く必要を再認識させられる内容でした。
また、チームAが入ったグループは、対戦相手にメンバーが5人丁度のチームがあった為、6人制、5人制と試合により人数、フォーメーションの変化があったことでの迷いや混乱が見られ、ゲームの理解度、柔軟性、適応力といった点も求められ、選手達にはそうした状況を体験する良い機会であったと共に、指導側としても新たな課題としての気付きがあった点は収穫でした。
総体的に見れば、そうした中でも、チームとして連携しての守備であったり、連動した攻撃の崩しが数多く見られ、「だいぶサッカーをできるようになってきたかなー?」と感じた点は戦前の予想以上で、選手たちの成長を感じられる印象的な出来事でした。
【チームB】
こちらのグループは、全試合が慣れ親しんだ6人制でのゲームだったため、その部分では全体を通して良くも悪くも安定し、概ね戦前の予想の域を超えない変化の少ない試合内容となりました。
結果を見れば、個々のスキルレベルが高いLARGO FCさんに喫した1敗を除いて勝ち切るだけの地力があった点は素直に喜ばしいことでした。
ただ、内容としては、全ての試合が突出した若干名の個の力にのみに依存した内容であった点はチームとして大きな課題を感じるものでした。
逆説的に言えば、チーム全員がある一定以上のサッカースキルのあるLARGO FCさんのような穴の無いチームと対峙した時、多少力の抜け出た一人、二人の個の力だけでは勝てないという点が如実に現れた結果であり、全ての試合でポジションバランスもバラバラ、集団としての協調、連携してのプレーもほとんど見られず、単に6人の個人がいて、それぞれ別々に自分のプレーをしていたという印象を拭えない点は、結果とは裏腹にサッカーの理解度の点でかなり厳しい内容だったと感じています。
【総評】
今回の2チームは、チームとして戦おうとし、ある程度そうした学習が進んでいること示すかのように試合の中で表現してくれたチームAと、勝負に拘り、個を高め、個で状況を打開して勝ちをもぎ取るチームBとで対照的なゲーム内容となりました。
どちらが良い悪いでは無く、どちらも必要な要素で、ストロングポイントとなり得ます。
一方で、チームAは人任せ、消極的なプレーが顔を覗かせチームが機能せず停滞する場面もあり、チームBはそれぞれの主張が噛み合わず常時ポジション被りが起きていたために一か八かのプレーが多かったり、上手く行かないシーンでは他責としてチームメイトを責めるような部分が顔を覗かせたりで、相手如何によっては試合中に空中分解し兼ねない脆さを内包している点も見て取れ、それぞれにウィークポイントにも替わりかねない部分も見え隠れしていました。
育成年代のため、個のスキルを伸ばすこと、また、それに必要となる基本的な動き作りと思考力の醸成にフォーカスして指導して行くことは大前提ではありつつも、「サッカーが上手い」ということと、「技術レベルが高い」、「運動能力が高い」ということはイコールでは無く、「サッカーが上手い」ということの中には、個のスキルレベル、フィジカル要素に加え、個人戦術、集団戦術も含まれ、例えば、不利な勝負をしないとか、優位に勝負するために味方と協調するという判断など、他チームとの相関性や、自チーム内での相互補完なども重要な要素となり、その部分への気付きが必要となります。
特に低学年では、サッカーが上手く無くとも、走力・俊敏性などの運動能力が高かったり、メンタル面で闘争心が強い、勝ちたいというモチベーションが高いだけでも大きなアドバンテージとなり、相対的に優位を取れることも多いため、選手達には結果だけにフォーカスせず、効果的なプレーの理解を深めてもらい、「サッカーが上手い」選手になって貰えるような指導をして行ければと思っています。
サッカーは手持ちのカードをどう遣り繰りして優位に戦うかのゲームです。だからサッカーのスタイルは無限です。フィジカル的に劣る選手でも、ストロングを磨けば戦える余地を残すスポーツでもあります。だから選手の個性も千差万別です。
ウィークポイントの発見と自覚は、手札で戦えるよう知恵を絞り、創意工夫をする機会でもあり、そのことは異なるストロングポイントの発芽と新たなスキル獲得のチャンスでもあります。
世界のトッププレーヤーに目を向けても、スキルフルな選手には体格に恵まれない小柄な選手が多いこと、スタミナや読みの鋭さに秀でる選手には、傑出したスピードがない選手が多いことはその証左です。
なぜならば、彼らは足りない持ち札の中でも勝負できる方法を探求し、ウィークポイントを補完して戦う術を、長い年月をかけて繰り返し試行錯誤しながら独自のプレースタイルを作り上げてきたからであり、そうして環境に適応してきた結果だからです。
個とグループのバランス、ストロングの強化とウィークの補完は、どちらも片方にフォーカスし過ぎると可能性を狭め、放置し過ぎると学習の機会を逸することに繋がるため、非常に線引きが難しく悩ましい問題です。
だからこそ、単一の固定的なベストモデルを示すのでは無く、自らの気付き、自ら学習する余地を残しながら(制約主導アプローチ)、より多くの機会を与え、柔軟性、多様性を持った個性を伸ばす指導を心掛けて行きたいと思います。
ゲーム内容云々はさておき、最後の締め括りでは、今月のバースデーセレブレーションで全員が一つになって仲間の誕生日を祝い、屈託なく喜びを分かち合う子どもたちの姿が見られた点は、競技とは直結しないながらも、確実に子どもたち一人一人が成長する中で社会性を身に付け、集団としてのまとまりを持ち始めた印象的な光景で、とても喜ばしいものでした。
機会を頂いた足立区サッカー協会の皆さま、対戦チームの皆さま、暑い中サポート頂いた保護者の皆さま、ありがとうございました。
(担当コーチ:長岡)/
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